介護業界の人材不足は、日本全国で懸念されている課題です。多くの人がその問題を実感し、政府がこの問題解決に乗り出しているにも関わらず、解決の糸口が見えてこないのはなぜなのでしょうか。
転職市場では人手不足が叫ばれており、必要な人材確保が困難になっています。新しく介護事業所を拡大しようと計画をたてたとしても、人材確保することは難しく、大きな壁となっています。
こういった問題の一番の理由として考えられるのが、ハードワークでありながら賃金が低いという実情です。ただ、賃金面での改革に関しては政府が2012年ごろから「処遇改善加算」を考案し、介護職員の給与への加算を進めています。
この補助金制度を導入することによって介護職員の給与は月平均で1.5万円ほどアップしたと伝えられていますが、改善策としてはまだまだといえます。
こうした取り組みが行われている裏で、さらなる問題が懸念されています。それは、高齢化社会の進行で介護ニーズそのものが大きく高まっていることです。政府の調査によると、高齢者数がピークを迎えるのは2025年とされており、国を挙げて早急に介護の人材不足の問題を解決しなければかなり厳しい状況になることが予想されています。
また、介護職の定着率が低いこと、すなわち離職率の高さに対しても、目を向けていかなくてはなりません。
現職者の後押しをするような待遇改善に努めることで、介護サービスの質そのものを向上させていく必要があります。
そのためには早急に職場環境を整備し、介護士が目的を持って仕事に取り組める環境を整えていくことが重要です。具体的には、現場から不満を汲み取り、労働環境を改善していくことが必要不可欠だといえるでしょう。